歌うきみ/銀猫
 



一瞬

ふたりの思惑は重なって

短い沈黙が生まれる



幾度触れても

求めたい唇に



一度は小鳥のように

二度目は

シェイクの最初の一口の強さで



触れる触れる

飲み干す




背に当たるスプリングの音が

やがて

先を急く舟となり



思惑通りか

冒険か

大きなうねりに向かってゆく




(あなたの繊細な狡賢しこさが欲しい)



(きみの我慢強さに挑むさ)




ぼんやりとした焦点が

やがて闇の曖昧の中で

小さな光の点となり

ぼくらは

そこを無言で目指す




きみを歌わせたいんだ

とても歌わせたいんだ




おしゃべりでは聞けない声で




ぼくが歌わせたいんだ












  グループ"鏡のくに"
   Point(7)