四行連詩 独吟 <静かに>の巻/塔野夏子
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刺激的な電飾にふちどられ
意味を失った標たちが乱立する街を
歪なパレードが騒がしく過ぎてゆく
季節たちはとうに 逃げ去って久しい
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銀河の端っこに浮かぶ廃墟で
何もない空を見あげひとり歌う
歌の中を進んでゆくパレードから
虹色の風船がたくさん舞いのぼる
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花は舞い
風にさびしく花は舞い
胸のうちから
恋を消す
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時計塔の彼方への 気高い消失
それは 重さを増してゆく黄昏が
空から剥がれ落ちてしまう前の
街の中の誰ひとり空を見上げてなかった一瞬の
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箱船に箱庭をのせて
あてどない漂流
すべてが終わってしまった後に
くゆらす夢
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天と地の結び目に
蒼く立つ人影
闇の深みに「始まり」を受胎し
静かに目をあげる
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