アメ/アンテ
は
うれしかった
散り散りになってしまった
タイセツなヒトのカケラが
アメといっしょに落ちてくるような
気がして
街じゅうを
やみくもに歩きながら
いろんなアノヒトを想った
いろんなアノヒトと
いっしょにいる
いろんなジブンを想った
アメよ降れ
願うくせ
カサのそとには出られなかった
カサのさきから落ちるシズク
ばかり見ていた
一生ぶんの砂がつまった
砂時計
さらさら さら
終わったら
またひっくり返せばいいじゃない
だれかが言う
なーんにも知らないんだね
だれかが笑う
窓辺に肘をついて
風の音を聞いていると
自分が入れ物になった気持ちにな
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