創書日和【朝】Bitter Sweet Morning/大村 浩一
らあったで
引き裂かれたままさらにさらさら乾き
女はまったく別人の顔で
ショーウィンドウの向こう側を明るく歩いている
けれど残りの年月を数えるようになっても
朝は朝だ
まだ冷たい剃刀を当てて備えている
あの雨のなかを出ていった一人が
この街を目指している
交錯を確信する
肯定も否定もその時明かそう
無責任に選択肢を並べたてたりはしない
徒には吠えない 決して
一日を失うことで得られる一日の
始まりだ
※ 鮎川信夫「繋船ホテルの朝の歌」から部分引用があります
2009/5/26
大村浩一
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