記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
も、俺が真面目に、これを小説にしようと思ったら、確かめてみようと思う。
…いや、電話番号を聞いたのが先だったと思う。そのはずだ。
それから数日たったある日、俺は彼女と喋る機会を得た。
嘉人に用があって、彼の携帯に電話したのたが、出ないので、
舞子の携帯に電話したのだ。ドキドキものだった。凄く緊張した。
激しい緊張と共に、激しい喜びを感じていた。手が震えていたのを覚えている。
久しぶりに聞く彼女の声はやはり、とても可愛くて、可愛かった。
嘉人はいた。舞子とイチャついてて、電話に出なかったそうだ。
電話口で軽口を叩きながら、俺は用件を彼に伝えて、電話を切った。
たったそれ
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