記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
 
に「ハイ」なひとときを過ごす。
ちなみに、息子はいじられてない。この時点では。
さぁ、舞子が手錠をされる番だ。
俺は彼女を後ろ手に手錠で縛り、目隠しをする。
今でも鮮明に覚えている、その瞬間の記憶。
俺は彼女を脱がして、制止も聞かずにブラジャーを外した。
背中に口づけて、首筋に向かってキスを繰り返して、前に回り込んで、
肩、鎖骨、首筋、耳、頬、鼻。
この瞬間、俺の中で何かが切れる。大切な何かが切れたんである。
舞子の唇を貪るように奪った。3文エロ小説さながらだ。
びっくりした事に、先に舌を入れて来たのは彼女の方だ。
俺も懸命に応戦する。舌先の攻防戦。俺は無我夢中だった。

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