記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
 

第八ニューロン「ゲス野郎」


実家から、電話する。何の用件で電話したのか、忘れてしまったが、
喧嘩腰で何かを話していた気がする。
その時に、色々と聞いた、女の子の事、妊娠の事、覚悟の事。
確か、俺は泣いていた気がする。思い出せない。
どの電話で俺が泣いたのか、何で泣いたのか。
ただ、実家にいる時に、そんな電話をしたのを覚えている。
何度目の電話だった?何時の電話だった?
もう覚えていないけれど、俺は確かに電話をしたし、泣いたんだ。

電話と言えば、俺は嘉人に何度か電話をしたのだが、何れも通じる事が無かった。
舞子が連絡を取りたいのに取れない、と言うから、俺が橋渡しを
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