荒川洋治を読んでみる(八) 『北京発包頭経由蘭州行き』/角田寿星
し、かなり苦労して橋を架けたんじゃないかな、って思っていたんです。
調査にずいぶん時間がかかったんですが、どうやら二回ほど黄河を横断するようですね。しかも、それは大したことじゃないらしく、ぼくにとってはやや驚きでした。なんでも、いちばん早い時期に架かった黄河の橋は蘭州近くにあるそうで、1907年完成だそうです。清朝の末期も末期で、よくそんな橋を架ける余裕があったもんです。ロシアの資本かしら…。
むしろこの路線で問題になったのは、砂漠のド真ん中を通ることだったそうです。少し油断すると、レールが砂に埋もれてしまうんだね。特に包頭-蘭州間の通称包蘭鉄道で、それは顕著だそうです。
砂防対策といたしま
[次のページ]
次 グループ"荒川洋治を読んでみる"
編 削 Point(2)