金魚の時間(三日目)水/愛心
になっているテントに
少しだけ余裕がありました
夢月は私の手を引くと
テントの下に連れてきました
「俺ちょっとタオル取ってくるから
ここで待ってろよ」
私がうんと返事をすると
夢月は更衣室に走って行きました
私の周りには
夢月より一つか二つ年上の男の人が
沢山いました
私は目を合わせないように
下を向いていました
いきなり肩を叩かれました
私が振り向くと
金色と茶色の髪をした
男の人が立っていました
「君さ一人?」
「あの・・・違います」
私が言うと男の人は
私の肩に手を置きました
「君高校生でしょ?
俺ねマオっていうんだ
ここにいてもつまんないし
家においでよ」
私は恐ろしくなりました
『夢月っ!助けて!』
私が泣きそうに縮こまっていると
誰かに抱きしめられました
夢月でした
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