金魚の想い/愛心
夢月がゴハンをくれてから
結構時間が経ちました
私はその間
ゆらゆら泳ぎ続けていました
『夢月・・・・・』
ボン!
身体中が真っ赤になったようでした
私は石の上に座ると
ゆっくり深呼吸をしました
赤いのは収まったけど
心臓はドキドキしています
私は頭を振り頬をパチパチ叩くと
石から降りて
歩いて見えない壁に行きました
見えない壁は
私を映す壁に変わっていました
私はとげとげしている小石を探すと
自分の赤い髪を梳きました
浴衣を着直すとクルリと回ってみました
そしてにっこり笑ってみました
「夢月は私の運命の殿方だもの
私のこと美人って言ったもの
『紅香』って名前も付けてくれたもの
きっと夢月と私は結ばれるわ」
私は目をつぶり壁に軽くキスをしました
するといきなり明るくなり
私の目の前には壁越しに
私にキスをしている夢月がいました
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