夜、走る味噌汁/青色銀河団
妻よ
おまえが夜眠っているとき
味噌汁は走り出すのだ
家人が寝静まると
味噌汁はお椀にはいり
玄関からそっと抜け出し
町内を走り出す
味噌汁は走る
（けして薬罐が空を飛ぶのではなく）
味噌汁は走る
（豆腐やアサリじゃがいもをちゃぷちゃぷ揺らし）
味噌汁は走る
（一生懸命一生懸命汗かいて）
味噌汁は走る
そんなわけで
妻よ
お前の作った味噌汁が翌朝
少しぐらい量がへったり
塩辛くなっていたとしても
なんら不思議はないのだ
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