漢詩 愁人/三州生桑
愁人
詩想十年方断腸
愁人独詠酔余狂
飛花何処秋山謐
落涙何心秋夜長
一夕一朝虫切切
千秋萬歳月蒼蒼
詩人一命虚空否
遮莫吟魂不可忘
愁人
詩想十年 方(まさ)に腸を断てり
愁人 独り詠ずるも 酔余の狂
飛花 何(いづ)れの処ぞ 秋山謐(しづ)かなり
落涙 何の心ぞ 秋夜長し
一夕一朝 虫切切
千秋萬歳 月蒼蒼
詩人の一命 虚空なりや否や
遮莫(さもあらばあれ) 吟魂 忘るべからず
愁へる人
詩作してきたこの十年は、本当につらい日々だった
愁ひつつ、一人で詩を詠むのも、酔った挙句のもの狂ひ
風に舞ふ花びらはどこに行く? 秋の山はしんとして応へない
涙が落ちるのは、どうしたわけだらう? 秋の夜は長いから・・・
ほんの短い命だが、虫たちは心をこめて鳴き
永遠とも思へる長い間、月は青く輝き続ける
詩人の一生なんて、無意味なのではなからうか?
何はともあれ、うたごころを失はぬやうに生きて行かう・・・
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