笑顔のままに/ajisai
 
ださいな」
死神は女性を連れて更なる上空へと飛んだ

天国の門が見えてきた
いつもと違って二人の影が見える
一人は天使、もう一人は男性の魂のようだ

死神は天使へ女性の魂を引き渡す
「待っていたよ」
男性が声を掛けた
「あなた」
女性は涙を堪え、笑みを浮かべて
男性の胸に飛び込んだ
「久しぶりだね。無理を言ってここまで
 迎えに来させてもらったんだ」
二人はしっかと抱きしめあい、再会を喜んだ
そして男性は死神に礼を述べた
「ありがとう、君は私の時も妻の時も
 僕らを慰めて救ってくれたよ」
死神は照れたのか耳まで赤くなって
「いえ、僕は何も」
語尾は小さくな
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