五十音頭韻ポエムさ〜そ/佐々宝砂
 
い進まないけど
澄まし顔に
すうっと素顔が透けたら
素敵だろうな




[せ]


せわしげな蝉しぐれに
急かれる背中に

瀬戸際で切羽つまって
急き立てたりしない

競りあいせめぎあい
攻めの台詞を背負う背中に

背伸びして
責め立てたりしない

せめてせめてじゃ
攻め落とせないもの

背筋伸ばして
繊細すぎる星座を
赤裸々に積分すれば

積乱雲は鮮烈に
せつなく
赤面するでしょう

接吻は刹那の閃光でも




[そ]


空は
そらごとに染まり
そらとぼけて

そらごとは
そよ風よりも楚々と

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