五十音頭韻ポエムは〜ほ/佐々宝砂
 
[は]


蜂の翅より
はるかに儚い翅です

はらはらとはなやかに
花火ははぜるので
はたはたとはげしく
旗ははためくので

儚い翅は

はずみはねる春に
はにかみ
はらみはぐくむ春に
恥じらい

歯がゆいからって
はやしたてないで
派手に励まさないで

果てて墓場に
灰掃き寄せるまでには

儚い翅も
羽ばたくでしょう
裸の針も
はじけるでしょう





[ひ]


昼日中ひだまりにあっても
皮肉な比喩はひずみながら冷えゆき
姫君は冷やかされ
聖は左向きにひたすらひざまずく

火の襞よ
光に惹かれる雲雀の雛よ
[次のページ]
  グループ"五十音頭韻ポエム"
   Point(3)