ラヴなステーショナリー その2/恋月 ぴの
 
あなたは手慰みの指先で
わたしの身体をくるくる回す
言いなりになんかならない
と思ってはみても
あなたにだけは嫌われたくなくて
股関節の痛みをこらえ
アンディオールのポーズを取る
(わたしってプリンシパルだったかな
裂けそうなくらい開いたプリエから
くるりと描いた円周率は
3.151673980
数え切れないはずだった
無間地獄と
果てしなく続くはずだったのに
恋煩いはこれっきりとなってしまって
中途半端な5番のポーズは
しりつぼみの恋占い
ほどけたトゥシューズのリボンに
忘れられないあなたを想い
月明かりさえも届かない引出しの奥
ひたすらあなたの指を待つ

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