海の画帳/石瀬琳々
 
白い雲青らむ渚描いてく
    心の色は自由自在


砂浜に続く足あと追いかける
    麦わら帽子風のステップ


海の色変えてゆくまに一瞬の
    楽章を見る波濤(はとう)はひかり


海鳥(うみどり)の風切るつばさ高く飛べ
    心をつれてはるか遠くへ


沖を行くましろき船に問いかける
    行き先はただ鳥のふるさと


貝殻を耳に押しあて海を聴く
    胸に満ち潮淋しく深く


海の色探し疲れて潮風に
    めくられてゆく心の画帳


   グループ"薊道"
   Point(9)