五羽の鳥/石瀬琳々
 
ふいにまた一羽の鳥が飛び立ちて
    束の間の夢心をよぎる


街角でつがいの鳥の歌を聞く
    アナタナシデハ/アナタナシデモ


啼くな鳥涙ながすなうつむくな
    唇かんで三羽の鳥よ


思い出は四羽の鳥の空の行く
    つらなりながら雲の切れ間に


五羽の鳥電線にいて押し黙る
    風は北向き蒼穹はるか


   グループ"薊道"
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