たそがれ/石瀬琳々
 
夕影がひたひた伸びて心ぼそい
    手の鳴るほうへ手の鳴る方(かた)へ


最後まで残るこわさに二人して
    遊びなかばで遁げるたそがれ


終わらない遊戯にも似る夕暮は
    かごめかごめのその輪のなかに


泣いた鬼電信柱の暗がりに
    白い手だけが招くやさしみ


やるせなく空き缶ばかりころがって
    角を消えゆくたそがれの影



   グループ"薊道"
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