雨、また雨/石瀬琳々
 
寝苦しく目覚めた朝に夢うつつ
    激しく窓をたたくたたく雨


雨音を思えば雨が支配する
    人を思えば雨の一日


アンブレラ覗いた瞳くぎづける
    すれ違いざま舗道のひとり


忘れるなら心ひらかず持っていて
    レインコートを着て会いにゆく


とめどない思いの檻にとらわれる
    たたく窓枠雨、また雨の


   グループ"薊道"
   Point(7)