あかい花/
石瀬琳々
あかい花、血の滲みただかなしくて
唇ぬすみ逃げる夕焼け
あかい花、きれいだねってつぶやいた
水に落ちればいつか見た夢
あかい花、口にしたなら消えてゆく
ならば塞いで意味など知らず
あかい花、夕べのように燃えている
焼け焦げてなおこころを抱(いだ)く
あかい花、いついつまでもと願った
いつになったら忘れられる恋
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グループ"薊道"
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