小詩集【あおい瞳】/千波 一也
 

 透けた両手で
 覆い隠して
 けれど
 やっぱり
 鏡のままで





九 永遠


 永遠に
 ここで待っているから

 永遠に
 ここを離れはしないから

 永遠に
 ここがぼくの居場所だから

 永遠に
 ここはさよならの源だね

 永遠に
 ここから思い出し合おう





十 背中


 憶えています
 その背中

 ほかのいろには
 染まりそうもない
 けなげすぎる
 その、青

 汚れようとする不慣れさを
 かばう言葉に
 めぐまれて
 まだ
 途中でしたか
 その旅の

 憶えておきます
 その背中

 名前の代わりに
 顔立ちの代わりに
 この瞳が
 捨て置けない
 複雑な
 一色を
 憶えておきます

 よい青に
 寄り添われますよう

 こころ静かに
 慕っています
 その背中
















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