暗い日曜日/六崎杏介
マンホールが電球として天使の子宮に灯り
その穴から華やぐ声音の子守唄が
怖い夜の為のドアノブを金具ごと剥がす
トランプの13の幼年期をあやしていた!
手入れされたお墓や遊園地や庭園が
アルファベットの痙攣で
或る果てのエデンへ打電された
私は閑散とした田園地帯で炭酸ガスの
気泡に眩みバスの到来を期待していた
カンヴァスの蒼い染み
それは神のパスティーシュの為のまだ若い意味
窓枠を光らせて墓場で待つ私を
通過するバスの照らす風化した街
発条としての通貨で撃つ羽の生えた全ての靴と眼鏡
苦痛の中の呼吸をヘイヴンと肢た告発文が
ガーゼの光の中発情した
風により散布されていた
そしてタイプライターは沈黙した
私の部屋で排他的に沈黙し、私の帰宅を許さなかった。
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