白い大きな光/プル式
とてつもなく大きな白い光に包まれ
気が付けば回りはうめき灰となり
死んでいく。
彼女はそれと気付かずに
自分は助かったのだと思うでしょう。
そうして彷徨いながら
人を探し、家を探し
十年経ち、二十年経ち
空腹を感じない事もいつしか当たり前となり
路地裏で眠り
街が変わり人が変わり彼女が誰とも話せない事も
誰にも見えないことも
誰も気付かず
誰も知らず
ただ幸運と
ただ凶気と
ただ流れ出す時代と
ある日彼女は気が付くでしょうか
自分が死んでしまったと言う事を。
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