くぐもる声が届くのは、くもりガラスのこちら側/ピッピ
さあ 遠い 遠いだろう
線路がどこまでも広がってる 遥か
矛盾の地平線を越えて
此処にはもう何も走らない
ただどこかの荒れ狂った国の
少女の吐いた溜息が風葬されるだけ
視点が届かない 光の限界に孤独
名前を選べずに生まれてきた
あたしはじきにトゥエニーになる
そうやって世界は分断していく
踏み越えることの無い線路の向こうがわ
そう
膝のあたりに目がついていたあの頃
臍のあたりに目がついていたあの頃
肘のあたりに目がついていたあの頃
には
もう戻れない
あの頃の視界は
あの頃の視界に映っていたすべては
だんだんと増えていく重力の下で
擦り切れて
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