息苦しい帰り道を抜けて、ようやく家の鍵を開ける。ただいま。そこ には何の生物の気配もない薄暗い空気が、早く外へ逃げたいと、一生 懸命藻掻いていた。私が歩くことで漸く落ち着きを取り戻した私の家 、だけど、私の心は、暗闇に馴染むほど、いつでも穏 [次のページ] 前 次 グループ"自薦" 編 削 Point(11)