石の花あるいは山のサロメ/佐々宝砂
の配下で最も白い肌を持つものよ
いまだ白のなかの白でしかないものよ
石英よ こちらにおいで
なまぬるい血でおまえを濡らしてあげよう
血濡れたおまえは白を失い
かわりにさまざまな色彩を得るだろう
おまえはうつくしくなるだろう
瑪瑙も玉髄もこうやって色を得たのだよ
こうしてまたひとつわたしの国に石の花
きらめく冷たい花畑で
深紅のドレスをひるがえしわたしは踊る
双晶にうつるわたしの影と手をとりあって
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