三華遠・視夜/
木立 悟
羽の群れがもつれあう向こうに
月が居る
羽の飛沫は風を飾り
陸ははばたき 海を撲つ
夜の冷たさ
夜の明るさ
言葉を忘れ
詩人は歩く
盗まれた星座の道をゆく
底なしのすみれ色に手をひたし
文字を見つめるけだものに触れる
床に散らばる種や球根を
生きものの火が照らしている
窓の外にひろがる野には
震えを映す鏡のように
夜が繰り返し打ち寄せる
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