29Y.4・23/
木立 悟
雨の降る夜は凶暴になる
叫びは声を失くしていき身体は揺れる
昔からそうだった
何度自分の血を見つめたかわからない
夜明けの冷ややかさが最高の快楽だった
誰かが立っていると強烈に感じ
夜中にずっと向こうの屋根を見つめた
「誰かが犯す!」という言葉が頭にやって来て
風に足をひらいた
前
次
グループ"「吐晶」より"
編
削
Point
(2)