青いコンタクトレンズ/青色銀河団
夕明りの文法でねむる
涙のようなガラスですから
青いコンタクトレンズ。
それをつけたぼくには
青雲のみずのような波と
月の光のようなこころで、
ノートのうらの
神経のかすかな生の魂のふるえさえ
感じられるのです。
そうして
あおじろい死者ばかり産む
青いカードをもったまま
いまだにぼくは
初恋の出口を見つけることが
出来ません。
三月のあおぞらで
少女たちからはじまるところの
地平線。
思考はうつくしさのような淋しさで
からだ中をめぐります。
そして
それほどまでに
春は冷酷なのです。
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