連音/ゆうなんぎい/AB(なかほど)
 
  


観音山のすそ野に拡がる田が
今年は三色パステルの絨毯になって
そよと花が揺れる
ときおり
少し遅れて
風にすれる音が続く
明日
あの人に見せたい
と思う場所が
またひとつ増えたというのに
あの人の明日は
とっくに僕の知らない世界で
たぶんもう繋がってはいない
それでも
コスモスが揺れ
少し遅れて
風にすれる音に
つながる
ブーゲンビリアの揺れる生け垣の
その向こうに住んでいたあの人のもとまで
連音のように
思いのうちのひと粒でも
連音のように
届け
いつまでも
僕の気持ちは
あの人の心の隙間に
繋がりたがって
ゆうなんぎいのいとの
そよとばかりに



   
   グループ"連音(れのん)"
   Point(5)