連音/ゆうなんぎい/AB(なかほど)
観音山のすそ野に拡がる田が
今年は三色パステルの絨毯になって
そよと花が揺れる
ときおり
少し遅れて
風にすれる音が続く
明日
あの人に見せたい
と思う場所が
またひとつ増えたというのに
あの人の明日は
とっくに僕の知らない世界で
たぶんもう繋がってはいない
それでも
コスモスが揺れ
少し遅れて
風にすれる音に
つながる
ブーゲンビリアの揺れる生け垣の
その向こうに住んでいたあの人のもとまで
連音のように
思いのうちのひと粒でも
連音のように
届け
いつまでも
僕の気持ちは
あの人の心の隙間に
繋がりたがって
ゆうなんぎいのいとの
そよとばかりに
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