午後/
大覚アキラ
いつもと同じ駅までの道を
いつもと違う時間に
いつもと違う服を着て
いつもと違う靴を履き
いつもと違う速度で歩く
短い影
アスファルトにくっきりと
轟くような蝉の声ふいに
ぴたりと静まりかえり
ポタリと汗ひとしずく
誰もいない真昼の道端で
訳もなく振り返ってみたくなる
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