行く春や/
大覚アキラ
噴水が作り出す虹を
半開きの口で眺めながら
大人たちは
頬を伝う涙を
不器用に指先で拭う
地面に残る無数の弾痕
それを
無数の直線で結びながら
星座の形を踏んでゆく
子どもたち
不死鳥の
翼の形に結ばれた線が
子どもたちを乗せ
虹を超えて
飛び去ってゆき
大人たちの頬の涙は
もう乾いていたが
口は半開きのまま
為す術もなく
ただ虹を眺めていた
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