COLD HEAVEN/ヤギ
 
これが絶望なのだと思った
暗い井戸の底でひとり頭を抱え
どうやって生きればいいのか判らなくなったとき
光が射した
やっぱり強くなりたい



2.砂の時計

敷石はクレバスのように冷えた
僧たちはついに靴をも失い、修道服で体をぴっちりとおおい、身を寄せ合い
数本残ったロウソクを、幾本かずつ灯していた
一番若い僧が言った
「私たちはこのまま死ぬのでしょうか」
誰も答えなかった
皆静かに息を吸い、静かに息を吐いた
一人が言った
「私には今まで聞く勇気がなかった。しかし今聞こう。愛とは与えることという。ただ与えよと。私たちは神を愛す。しかし現実には神は何もしない。これ
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