終わり/アンテ
(喪失の物語)
森の奥深くにひそむ家で
少女は長いあいだ一人きりで暮らしてきたが
一生に一度くらいは
だれかに囲まれて生きてみたいと考えて
あたりの土を固めては一人
落ち葉をかき集めては一人という具合に
自分そっくりな人形を何体も作り上げた
人形たちはまずまずの出来映えだったが
どれだけ待っても動き出す気配がなかったので
少女は気落ちして人形作りをやめてしまった
窓辺の椅子にすわって
毎日人形たちを眺めてすごすうち
自分の大切なものを与えれば
生命がやどるかもしれないと考えて
一体ずつ順番に
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