気持ちの物語/アンテ
悩んだ末に
気持ちを材料にして小さな入れ物を作りあげた
大切な人の瓶はすっかり形が変わってしまったが
この時のために自分のもとへ届けられたのだと
自分に言いきかせると諦めがついた
気持ちの入れ物はそれ以来色あせることなく
素晴らしい色を保ちつづけていて
しばらくは
なにを入れようかとあれこれ思い悩んだが
ある時気がついてからは
いつか大切な人のもとへ届ける日まで
窓辺に仲良く並んだ瓶と入れ物を
そっと指でなでることから
今日もまた
新しい一日がはじまる
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