照夜  終夜/木立 悟
 
ひとかけらの影さえ消してゆく
雪の下の常緑が
ほんの一瞬だけ
美しく 悲しく
ひろがり 湧きかえる


夜のなかにとどまり
空に近いほど濃い
青緑色をした木々を見ている
木の上の鳥には聞こえてはいない
どんな光の夜にさえ
ただ雪だけを聴いている
自らの羽のかたちを聴いている


空に 地に つづいてゆく
光に至る轍
無の向こうに至る轍
震えの上を駆けてゆくもの
青に落ちる青のようにまぎれ
ふたたび独り離れゆくもの
有と無のはざまの道が
灯し火が轍が消え去っても
夜を照らし歩みつづけるもの
想いのすべてのなかに棲む
光の髄をかがやかせて








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