レガート/たかぼ
 
しく微笑んだがあな
たの方に走っていかないで明るい光の中で酔いしれるようにじっと佇
み空を仰いでは目を閉じ銀のたてがみに玉の雫のように降り注ぐそよ
風を髪といっしょに舐めてみた。するとあなたは耐えられなくなって
遠くの森まで走って行きセコイアの幹に麻紐で枯木をつり下げただけ
の粗末なあなたのお気に入りのぶらんこの側でシロツメクサを摘み始
めた。ぼくはついくすっと笑ってしまったがこっそり森の中まで歩い
ていきあなたの幼い角をそっと触ってびっくりさせてあげようと思う


  グループ"散文三部曲"
   Point(3)