ノート(無風)/
木立 悟
氷河期が
水たまりに立っている
前を向いたまま
あとずさる
光を手放し
今も 拒んでいる
忘れた 忘れた
だからどうした
おまえの親の
仇なら燃やした
まとわりつくな
羽を散らすな
空と同じ大きさの
細工された写真を着て
偽物はずっと偽物のまま
無風のままにたなびいている
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