アントラー(ウルトラマン)/角田寿星
 
とだろう。私たちは待つ。異郷の砂漠の
穴の底で。夢の中にアントラーが来なくなり ずいぶん経つような
気がする。アントラーはどこに行ったのだろう。

平和を取り戻した蜃気楼の街バラージで青石を愛おしく削りながら
作業に精を出している後ろ姿がある。今日もまた何か作ってるのかい
私たちは苦笑混じりにアントルに話しかける。毎日毎日倦むことなく
何百年も発明製作を続けた結果 彼の作った装置は正直 置き場所にも
困っている始末だ。アントルは振り返り今回の発明品について説明を
始めそれに私たちは何時間も付き合う羽目になる……

バラージの砂漠の下 私たちは幸せな夢を見続けた。

   グループ"怪獣詩集"
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