ピグモン(怪獣詩集)/角田寿星
ないのに
レッドキングの投げた石にプチチと潰された
ピグモンなかよし
怪獣酋長ジェロニモンは地球を征服するのに
死んだ怪獣たちを生き返らせたその手始めに
何を思ったかピグモンを生き返らせた
(怪獣の考えることはよくわからない)
ピグモンは当然のごとく人間の味方について
身の丈50メートルの怪獣と闘って
せっかくもらった命をまた散らした
ピグモンは
どうして人間をたすけようとしたんだろうか
人間は
ピグモンにたすけられる資格があったんだろうか
一説によれば
なきがらとなったピグモンの魂を
薄暮のむこうへ運んでいく銀の影があったという
あれは
ウルトラマンだったんだろうか
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