レッドキング(怪獣詩集)/角田寿星
は
首投げ一本 あわれレッドキング
あっさりと死んじゃった
レッドキングは
かっこいいから強い
理由はいらない
名対決に名勝負なしとは昔人はよくぞ言った、一瞬の
立ち会いですべては決まる、巷ではお好み焼ともんじ
ゃ焼の名勝負数え唄とか、アメリカとイラクが砂漠で
じゃんけんぴょんだとか、切実なまでのとめどない喧
噪がぼくの心をとらえて放さない、暴れるのは怪獣の
責務だ破壊するのは怪獣のゲノムだ、思想も宗教も悪
意もプライドも王楽浄土もヘチマもミロのトーナスも
ありゃしねえ、負けるケンカは三十六計、どっかにウ
ルトラマンはいないかなあ、どっかにウルトラマンは
いないかなあったら!
ああ
レッドキングよ ただ一途に
ひとすじの煙が。
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