海月の密度/士狼(銀)
僕には
愛の密度が足りていない
あの日
深海に落とした欠片が
隙間風を招き
iは
破れた質量を繕いながら
失った体積を埋めるため
きぃきぃと泣いている
錆びた窓が
風に揺らいで開いて閉じて
そんな声で
きぃきぃと泣いている
iを含んだ
朱い海月が緩んで
ビュレットから
ゆるり、
熔け出してゆくのを
悲哀を喰らふ
緑した鴉が
逆さづりのまま
じっと
見つめている
不完全な僕の愛は
まるで木から落ちた猿だった
Nobody tell me love .
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