フラグメンツ(リプライズ) #71〜80/大覚アキラ
スの中のビールも
半分ほどの曖昧なまま残されている
時計の針は
終電にはまだかなりあるし
もう一軒というにはちょっと短い
そんな曖昧な時間
このまま何もかもぜんぶ
曖昧になってしまえばいい
何がなんだかわからなくなるぐらい
もっともっと曖昧に
#77
嘘をつくと
瞼がどんどん厚くなって
やがて眼が見えなくなりました
という嘘
#78
わたしのお墓の前で
泣いてください
泣いて泣いて
あたりがぬかるみになるほど
泣きつづけてください
やがて
あなたの流した涙で
小さな湖
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