読むことのスリル──ひだかたけし小論(9)/朧月夜
おわりに……人は何をもって詩を書くのか?
この文章において二度、「批評は批評論である」と書いたように、批評とは一個の創作たらざるを得ないものです。批評とは、作者が同意するにせよ、しないにせよ、コマーシャリズムに属するものであり、作品に対して隷属することを表すものです。わたしは、この小論において、ひだかたけし氏の作品を紹介する労を取りました。ですが、解説する労を取りませんでした。そのことに、読者は否と言うかもしれません。
わたしがこの詩人に出会ったのは、2019年のことです。やんごとなき事情から、わたしが現代詩フォーラムというウェブサイトに詩を投稿し、最初にポイントをつけてく
[次のページ]
次 グループ"読むことのスリル──ひだかたけし小論"
編 削 Point(3)