アドスの竜退治(三)/朧月夜
七十体の竜は三十体にまで減った。
そして、三十体の竜は十五体にまで減った。
そのころ、戦士エイソスの手勢は五十人にまで減っていたが、
竜たちを滅ぼすのは、時間の問題であろうと思われた。
しかし、竜たちにも知恵がある。
自分たちが滅ぼされようとしていることが分かると、
東の土地パシャスに向かって逃れようとしたのである。
だが、アイソニアの騎士と戦士エイソスはそれを許さなかった。
彼らは十五体の竜を前にして、仁王立ちになった。
戦士エイソスの矢が竜の目を潰し、
盲目となった竜の首を、アイソニアの騎士が断ち切った。
そして、最後の一体の竜が、アイソニアの騎士と
戦士エイソスによって葬られた。これが戦いの顛末である。
クールラントの王は、二人に未来永劫伝わる、卿の称号を賜った。
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