祭司クーラス(二)/朧月夜
 
魔導士エインスベルと、アイソニアの騎士とは、
互いに無二の絆で愛し合っていた。
しかし、その床を共にしたことはない。
エインスベルは、どちらかと言えば男勝りの性格であったのである。

祭司クーラスの目的は、
アイソニアの騎士に新たな恋人を娶らせることであった。
そうすれば、エインスベルの呪縛からも放たれることだろう。
アイソニアの騎士は、クールラントのためだけに、戦ってくれることだろう。

祭司クーラス、彼の為すところは一つだった。
土と宝石とから、絶世の美女を作り上げ、それをアイソニアの騎士に献上する。
さすれば、アイソニアの騎士も心奪われるに違いない。

しかし、決してそうはならなかった。
祭司クーラスは、自分自身の無力さと未熟さを、思い知った。
そして、エインスベルとアイソニアの騎士の絆の深さをも。
   グループ"クールラントの詩"
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