ワイバーン狩り(一)/朧月夜
エインスベルとアイソニアの騎士が復讐を決意していたころ、
戦士エイソスはクールラントの南部にあるリュシクイアの街にいた。
リュシクイアの街はカシュクスの街からもほど近い。
その地を襲うワイバーンを退治せよ、というのが国王の命令だった。
国王にしてみれば、アイソニアの騎士と戦士エイソスを離れさせる、
という目的もあったのである。当然のことながら、
この謀議には祭司クーラスも絡んでいた。
レ・スペラスとの戦い以降、アイソニアの騎士を讃えるという声が、
大きくなっていたからである。それゆえに、
アイソニアの騎士やエインスベルらを孤立させる必要があった。
エイソスには、クールラントの国にのみ仕えさせなければいけなかった。
祭司クーラスは、陰ながら微笑していた。
戦士エイソスはやがて、クールラントの聖騎士となろう。
そのために邪魔な者たちは、今のうちから排除しておかなければいけない。
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