ワイバーン狩り(四)/朧月夜
 
ワイバーンたちはとくに冷気の魔法に弱かった。
そこで、戦士エイソスは、
すべての護衛たちの剣に氷の魔法属性を付与させることにした。
氷の女神の名は、「サプレナ」という。

幸いなことに、リュシクイアの街の魔導士の中には、
サプレナに仕えている者がいた。
その者の名前は、カジャガシア。
リュシクイアの街のなかでも、比較的よく名前を知られている魔導士である。

カジャガシアが氷属性を全員の剣に纏わせるのには、
一昼夜がかかった。しかし、カジャガシアは淡々とその仕事をこなしていった。
戦士エイソスは、そのことに満足した。

これで、ワイバーン退治の時間も短くなろう。
犠牲となる市民たちの数も減るに違いない。
戦士はいくら犠牲となっても良い、しかし、市民たちの命は守らねば。
   グループ"クールラントの詩"
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