アースランテ国王とアイソニアの騎士(一)/朧月夜
 
ハッジズ・ア・ラ・ガランデは武勇に秀でていた。
それは聖騎士に任命されたアイソニアの騎士にも、
及ばないものだった。
アイソニアの騎士は、アースランテでいたく厚遇された。

「アイソニアの騎士よ。お前はクールラントを敵に回すことになる。
 その覚悟はできているのか?」ハッジズは問う。
「わたしは傭兵の身にございます。日々の生活の糧となるのが、
 わたしにとっての武勇です」

「ならば良い、汝は決して余を裏切ることのないように」
それは怒声にも似た、ハッジズ・ア・ラ・ガランデの声だった。
「されば、汝はいかなることをこの国でなそうと思うのか」

「はい。今は軍国ラゴスへの侵攻を考えるべきかと思います」
「ほう、それは奇遇であったな。余も同じ考えであった」
「弱き者は、放置しておくべきなのです。宿敵をまず最初に……」
   グループ"クールラントの詩"
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